特別映像
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公式PVコンテスト 最優秀賞
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公式PVコンテスト 特別賞
あらすじ
運命はすでに
決まっている。
だからエミルは
旅に出ることに決めた。
「若年性アルツハイマーと宣告された男性、26歳。人生最後の旅の道連れ募集」。エミルは病院と周りの同情から逃れるため、旅に出ることにした。長くても余命2年。同行者を掲示板で募集したところ、返信が届いた。「高速道路の三番出口で待ち合わせしよう。こちらは、つばの広い黒い帽子にゴールドのサンダルに赤いリュック。どう?」。現れたのはジョアンヌと名乗る小柄な若い女性。自分のことは何も語らない。2人はとりあえず、ピレネー山脈に向けキャンピングカーで出発することにした。それは、驚くほど美しい旅の始まりだった——。
爽やかな筆致で描く、命と愛、生きる喜びについての感動大長編。

主な登場人物
著名人コメント
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致命的な心の傷を、人はいかにのりこえうるか?
ささやくような美しい声で、答えてくれる物語。川上弘美(作家)
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旅をするとき、人は同時に、
命を見つめているのではないか。西加奈子(作家)
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この“旅”の体験と記憶は、いつまでも失われない。
自分もいつかは“最高の旅“を誰かとしてみたい。
人生に終わりはないのだ。小島秀夫(ゲームクリエイター)
書店員コメント
著者情報
著:
メリッサ・ダ・コスタ

1990年生まれ。作家。2019年に『空、はてしない青』でデビューし、瞬く間にミリオンセラーを記録。2023年と2024年にはフランスで最も売れた作家となった。他の著書に『Les lendemains』『Les femmes du bout du monde』『Tenir debout』などがある(いずれも未邦訳、講談社から刊行予定)。
親愛なる読者の皆様へ
『Tout le bleu du ciel』を執筆したとき、この物語がこれほど多くの国境を越えていくとは想像もしていませんでした。生と、限りある命、そして光について語りたいという、私自身の内なる思いから生まれたこの小説が、今日、世界中の読者の皆様の心に届いていることは、胸に迫るものがあります…。
この本は私にとって、ひとつの呼吸であり、人間的な安らぎの場所であり、弱さに直面したときに差し伸べられる手のような存在です。その本が間もなく日本で出版されることを、大変光栄に思います! 日本は、その感性、日常の中にある詩情、そして自然との関わり方において、私が敬愛してやまない国です。
この本を日本の読者の皆様にお届けします。皆様が、エミールとジョアンヌの姿に、ご自身の生と死への眼差しと響き合う何かを、見つけてくださることを願っています。そして願わくは、この物語の中に、少しでも安らぎや開かれた展望を、あるいはただ、人生の根源的な問いを前にして独りではないという感覚を、見出していただけますように…。
また近いうちにお会いしましょう!
訳:
山本知子

フランス語翻訳家。フィクションの訳書に『貧困の発明』「パリ警視庁迷宮捜査班」シリーズ(以上、早川書房)、『星々の蝶』『グラフィック版 ソフィーの世界(上下)』(以上、NHK出版)、「タラ・ダンカン」シリーズ(KADOKAWA/メディアファクトリー)などがある。ピケティやマクロンの著作をはじめ、ノンフィクションも多数手がけている。