Comment書店員コメント

全国の書店員さん143名から絶賛の声!

  • アルツハイマーで余命宣告をされた青年と、彼の最期の旅に、寄り添う事になった謎の女性。
    お互い初対面で、最初はぎこちなかった2人が、旅を続けて行く中で、少しずつ距離が近づいていく。
    その、丁寧で細やかな心が、重なり合っていく様子に、惹き込まれいきました。
    そして、雄大で美しい自然を肌に感じるような、一文一文に深く魅了されました。
    彼と彼女が、日々を共に過ごす中で、芽生えた新しい感情。
    それは、何よりも得難い、幸せがあふれていました。
    その幸福は、まるで透き通った流水で、心身を洗われ、清められていくようです。
    生命の奇跡に包まれ、揺るぎない絆が結ばれていく、多くの愛が込められたヒューマン小説。
    また、色鮮やかな感情が散りばめられた、心に潤いをもたらしてくれる、ヒーリング・ストーリー。
    クライマックスでは、カタルシスの涙が、あふれて止まりませんでした。
    それは、永遠に輝き続ける魂の息吹に、静かに包まれていくような心地です。
    そして、哀しみや苦しみを超越した、相手を大切に想う温かな真心に、生きる勇気がみなぎっていきました。
    めぐり巡る、生命の煌めきに照らされ、新たな人生の旅路が開かれていく物語。
    読み終えた後、すぐ言葉にはできない、かけがえのない感情がこみ上げ、微笑みの涙が流れました。
    言葉が感情に追いつかないとは、まさにこの事。
    本作は、限りある命に向き合い、人生において、多くの気づきを与えてくださる、傑作だと思います。

    紀伊國屋書店福岡本店
    宗岡敦子

  • 感動という、ありきたりな言葉ではとても語り尽くせない。この物語は思い返すだけで号泣してしまう。
    それはきっと、人間の根幹に関わることで、生き方そのものに深く関係しているからだと思う。
    記憶を無くしていくことで、自分が自分でなくなっていく恐怖と、大切な人が自分を忘れていくという引き裂かれるような悲しみがあって、でも、それを凌ぐほどの相手を深く思い合う愛情の深さと度量の大きさに、感嘆し敬服し魅了されました。
    雄大な自然と命の輝きに満ちた大作でした。
    この作品に巡り会えた奇跡に感謝します。

    蔦屋書店ひたちなか店
    安 直美

  • 人生はいつ何が起きるか分からない。主人公は周りの反対などを無視して、限られた人生のために自分が本当にしたいことを選択して、理想通りの最後を迎えた。起きてしまったことは仕方がなくて、その時にどんな選択をするのかが大切なんだということをあらためて痛感しました。風景の素晴らしさが伝わってきて、機会があったらピレネー山脈へ旅行に行きたいと思いました!

    戸田書店藤枝東店
    坂井健一郎

  • 永遠に続けばいいのに…と願わずにはいられない、美しいロードムービーを観ているかのような素晴らしい物語でした。
    本当に美しいもので溢れていて、街並みや自然だけでなく、エミルとジョアンヌの会話や記憶の中も全てが美しく色があり、読後も物語の余韻から抜け出せません。
    余命2年のエミルと深い悲しみの中にいるジョアンヌの出会いは、2人の人生をずっと豊かにしてくれていて、またそれを感じることで私まで豊かな気持ちになれました。
    ジョアンヌやジョゼフが与えてくれる言葉もとても素敵で、ノートに書き留めておきたくなります。もう、この本一冊まるごと大事に抱えておきたい!
    ラストはパートナー、家族、友人、隣人、すべての愛を確かに感じて、柔らかな涙が止まりませんでした。
    鈍器のように分厚い一冊ですが、これはみんなに勧めたくなる作品!

    TSUTAYAサンリブ宗像店
    渡部知華

  • 最初は800ページを超えるフランスの大作に「よしっ」と気合を入れて向き合いましたが、そんなことまったく必要なく、息をするくらい自然に文字が入ってきました。エミルの最後の旅に読者として伴走できてとても幸せです。この慈愛と再生の旅がずっと続いて欲しいと心から思い始めた頃に、病魔が襲ってきたので落胆も激しいものでしたが、しっかりとエミルを受け入れ対処するジョアンヌの姿に大いに心が動かされました。私は本屋ですけど、配ってまわって「読んでみて」とおすすめしたいほど、すばらしい物語です。ありがとうございました。

    ブックスページワンIY赤羽店
    清宮久雄

  • 本をゆっくりと読み進めながら、自分もジョアンヌやエミルとともに瞑想をすすめている感覚がしました。日常の中で疲れ、乱れてしまった心を、想像するしかないピレネー山脈の景色の中に連れて行ってくれました。
     これは、エミルが記憶を失っていく壮絶な最期を描いた物語であると同時に、事故で子どもを失ったジョアンヌが再び母親になるための物語です。最初はちょっと不思議な笑わない女性だったジョアンヌが、エミルとの生活を通してだんだんと自分を取り戻していく。だからこそ、彼女が母親を意識して、エミルとの最後の約束を結果的に破ったシーンには、思わずグッときました。

    未来屋書店土浦店
    米田孝明

  • 彼らの親の世代ですが、エミルとジョアンナが愛おしくてたまらなくなりました。その人にとっての幸福、喜びはその人にしかわからない。家族と離れても、寄り添い愛情をかけてくれる誰かが側にいる事が、どれだけその人にとって幸せな事か。エミルは幸せだったと思います。

    喜久屋書店大和郡山店
    森谷 哲

  • 大人になってこんなに何度も涙を拭い洟をすすりながら読んだ本は初めてでした。
    主人公の飾らない言葉にすらすら読んでいた前半さえ、その命と心の輝きに涙が溢れます。
    病が進行し徐々に視点がエミルからジョアンヌに移行していくなかで、エミルの人生からジョアンヌへ再生へのバトンタッチがされているように感じました。
    人生になすすべもなく立ちすくむ時がきたら、この本を持って旅に出たい。
    生きること、愛することが溶けた空の青さをどこまでも追い続けたいと思いました。

    マルサン書店サントムーン店
    原田里子

  • 一体、自分はどんな人生の最期をどう迎えたいのか?考えたこともなかったけれど、この本を読んで、色々と考えさせられた。自分は自然に囲まれてってのはあまり得意ではないので、出来ることなら病院で家族に看取られたいと思う。でも、治療も拒否して自然の中で最期を迎えたいって人がいたら尊重したい。もし自分がジョアンヌの立場ならもっと早い段階(エミルの精神が子供になってしまった時点)で、家族のもとに返すだろうなーって思う。
    小説としてとても面白かったし、名言も心に響くものばかりでした。

    ブックスタジオ大阪店
    渋谷宙希

  • 衝撃的かついつまでも余韻を残す感動と愛がいっぱい詰まった一冊でした。
    普通の幸せって何だろう、当たり前の生活の有り難みを深く感じさせられました。
    忘れられない思い出、決して失いたくないかけがえのないあの時間が掬っても掬っても手のひらから溢れ落ちていく様に消えていってしまう。絶望の淵に立たされた彼がこの世に存在しその命が受け継がれていたことに震えるほど感動した。最大の愛の証に誰もが涙するだろう。

    BOOKSえみたす富士吉原店
    望月美保子

  • 早くも今年最高の本に出会えました。
    これがデビュー作とは思えない力量。
    生きるとは何か、幸せとは何かを考えさせられる内容です。
    長編でも飽きさせない物語の展開で所々にちりばめられた名言がアクセントとなっている。
    最後の最後に感動の涙が溢れ、この本に巡り合えたことに感謝しました。

    TSUTAYA BOOKSTOREららぽーとEXPOCITY
    飯室繁樹

  • 二人の人生に寄り添うことは、まさにこの本の読書体験そのもののようでした。はじめはその厚さに怖気づき、途中少し挫折しそうになりながらも、一緒に旅をしながら開放感や親しみに一体となっていきます。
    生まれ変わったかのような新しい人生の広がりや大自然の雄大さに圧倒されるとともにページの残りが少なくなることで不安や悲しみを思い出し、終わりがあることを思い出します。
    どんなことにも終わりはくる、でもそこに辿り着くまでの道は無限にあって私たちは本当は自由なんだと思わせてくれる、本の重みごと抱きしめたくなるようなラストでした。
    ジョアンヌの最後の選択の尊さ、悲しみは温かく、生命のエネルギーを包み込むような優しさに満ちていました。
    死へ向かうことは日々を生きるということだと二人の旅が星のように瞬いていて、限りある時間のかけがえのなさ、悲しみに沈みそうになるとき自分を形作ってきた人たちのことを思い出させてくれる作品だと思います。

    蔦屋書店熊本三年坂
    迫 彩子

  • 圧巻の一冊でした!主人公エミルの人生を追いながら、ジョアンヌの人生が徐々に垣間見え、丁寧に明らかになっていく展開が、のめり込まずにはいられませんでした。読み始めてから読み終わるまで、日常生活でも感情持っていかれっぱなしでした。特にジョアンヌの辛い過去を読んでいる最中は苦しくて悔しくて心が締め付けられました。だからこそ、ジョアンヌの内面からの美しさがより際立って感じます。山でのクライマックスは怒涛で、自分の涙で文字が読めないほど。生きるとは、愛とは、一冊を通して考えさせられました。作中の風景描写、登場人物の言葉、心が洗われるほどきれいなものばかりで、2人と一緒に旅ができて感無量です。ラストが、わたしもサプライズをもらったほど嬉しかったです。

    紀伊國屋書店富山店
    山口菜絵

  • 凄く静かな最後が伝わって来ました。
    それまでの様々な出来事が嘘のように。
    ラストの展開でまさか!が待っていて、救われた気持ちになりました。

    宮脇書店境港店
    林 雅子

  • 800ページ超が本当にあっという間でした。美しい風景と数多の優しい心に触れて、自分も二人と共に旅をしたような心持ち。痛みも冷たさも悲しみも丁寧に描かれているけど、そのすべてがもっともっと大きな愛に抱きしめられているような、本当に美しい想いに満ちた物語でした。
    実は読む前はずっとタイトルを覚えられず「青い本」などと読んでいたのですが(本当にすみません)読後はタイトルに込められた愛に号泣してしまい、なんて美しいタイトルなんだと物語を改めて嚙み締めました。この本に込められた「愛」を、ぜひともたくさんの方に体験して頂きたいです。

    田村書店吹田さんくす店
    村上望美

  • 最期を迎えるための旅の物語。
    死という結末から逃れられないことは分かっていた。それでも自分と向き合い、人を愛することで「生きる喜び」を知ったエミルの旅は、どんどん鮮やかに彩られていった。たとえ自分の命が潰えたとしても、すべてがなくなってしまうわけじゃない。終わりははじまりで、物語はまた新しく紡がれていくんだ。あぁ、なんて美しい救済と再生の旅だろうか!心の底から想いが溢れて、温かな涙が止まらなかった。

    未来屋書店春日部店
    水上 舞

  • 奪われていく時間の中でも、自分でいられる一瞬を大切に生きるエミルと、静かな優しさとともに寄り添うジョアンヌの姿に胸を打たれます。
    自然の雄大さと厳かさが二人の心の葛藤や愛情を優しく包み込むように描かれていて、生きること、愛することの意味を深く問いかけてくる希望に満ちた感動の一冊です。

    文真堂書店ビバモール本庄店
    新井さゆり

  • エミルがどれだけ素晴らしい経験をしても、その先に待っているのは「記憶の喪失」。そして「死」。
    そんな暗く冷たいテーマの上を走る物語だけど、エミルの決意を尊重し続けるジョアンヌ、ジョアンヌの過去を優しく受け止めようとするエミル、この2人の旅からは、小さな焚火の炎に手をかざした時のような温もりを感じた。

    こんな生き方、死に方ができたら「生まれてきて良かった」と心の底から思えるだろう。

    明屋書店下関長府店
    南 隆大

  • 人生に迷った方に是非読んでほしい。私はこの本に出会えて幸せです。

    未来屋書店各務原店
    大西 聡

  • とても悲しい理由から赤の他人の2人が旅に出る物語。仕草や言葉から感じる穏やかな優しさに癒され、辛くても悲しくても自分を守る術と思い出を持つ事の大切さを教えてもらった。生きている間にこの作品に出会えた事に感謝する。

    TSUTAYAWAYガーデンパーク和歌山店
    中江敬子

  • 豊かな自然とそこで出会う温かい人々、少しずつ心が通い合っていく二人。この幸せな旅が少しでも長く続くことを祈りながら読み進めた。命の終わりが近づいていることが分かっていても、奇跡が起きることを信じて。
    それは突然だった、ラスト3ページの奇跡。ずっとこらえていた涙が一気に溢れた。
    最初から最後まで美しく壮大で感動的な物語、共に旅した時間は一生忘れることはない。
    今まで読んだ海外作品の中でベスト1になりました。

    ジュンク堂書店郡山店
    郡司めぐみ

  • エミルとジョアンヌ。二人が出会った理由は運命を越えた所にあった。
    死の渦に引き込まれていくエミルと、魂の片割れを喪ったジョアンヌ。
    二人の旅は黒色に染まり、そこから一層の暗黒に沈むしかないように思われた。
    薄れゆくエミルの記憶。声にならないジョアンヌの慟哭。
    しかし心とは裏腹に、移ろいゆく自然の色彩が、芳醇な香りが、むせかえるような息吹が、二人の魂を蘇らせていく。
    二人の出会いは、この世を旅立った愛する者からの贈り物だった。
    時空を超えた愛の奇跡を目撃した「私たち」は、震える心を鎮めることができない。堪えきれず流れた涙は熱く、あぁ私も今ここに生きていると信じられた。
    魂に刻まれた物語、そして二人が見ていた「青色」とともに、私たちも旅をする。
    旅路の涯で「彼ら」に出会うその日まで。

    本の森セルバ岡山店
    横田かおり

  • この厚みに最初は怯みましたが読み出したら止まらなくなりました。
    美しい風景や心の描写、魅力的な登場人物。
    若年性アルツハイマーという病気が不運な軸となって進んでいく物語は、人生はそれでもどんなことも意味はあるのだと、先にゴールを決めないでいまを生きることを教えてくれます。
    この2人がいつまでも一緒に過ごせますようにと祈りながら読みました。

    有隣堂アトレ恵比寿店
    酒井ふゆき

  • 最初は互いに距離を保つ二人だったが、関係が深まるにつれ、読者である私自身もまるで三人目の同行者のように感じた。 エミルの記憶が失われていく描写は、あまりにリアルで胸が締めつけられた。それでも、どんなに辛い言葉を浴びせられても受け止めるジョアンヌ、そして恐怖を抱えながらもノートに書き留めることで自分自身を保とうとするエミル。その姿には深く感銘を受けた。もし自分だったら、同じように立ち向かうことができるだろうか、と考えずにはいられない。 ブルートムへの偏見には憤りを感じたが、ジョセフの言葉「トムは自分の世界に生きているんだと思う」が心に響いた。マイノリティが排除されがちな社会の中で、こうした受け入れ方の大切さを改めて考えさせられた。 旅が進むごとにエミルの命の終わりが近づく雰囲気が色濃くなり、旅先での出会いと別れがよりその現実を際立たせる。物語を通して、ジョセフが娘に注ぐ愛、ジョアンヌが息子を想う愛、そしてエミルが家族へ抱く愛が丁寧に描かれ、最後まで「愛」に満ちた作品だった。一気読みするのではなく、人生の旅のようにゆっくりと味わいながら読み進めたい作品だった。

    有隣堂淵野辺店
    大久保あすか

  • 余命を宣告された時、私ならどう残りの日々を過ごすだろうか。考えずにはいられませんでした。とんでもない始まりに思えたけれど、いつしか心が通じていく2人と一緒に、私の心も旅をしていました。残された日々を輝かす、美しい自然と魅力的な人々との出会い。この旅が終わってほしくなかったけれど、希望のあるラストに救われました。

    星野書店
    須藤紀子

  • 儚さを携えた命のきらめきがあまりにも美しかったです。
    人生の輝きや愛おしさ、そして無限の可能性にも気付かされ、「読めて良かった」と心底思いました。
    これはこの先、私の推しの一冊であり続けるでしょう。

    紀伊國屋書店札幌本店
    関 咲蘭

  • エミルとジョアンヌの不可思議な出会いから、同志?同情?友情?愛情?もどかしいくらいの付かず離れずの二人のまったりとした空間から後半の展開、重い空気に耐えられない…ジョアンヌの戸惑いに心が痛む。病が進み子どもに還ったエミルの世界。
    苦しくなるお話なのになんて美しいのだろうか〜最後の最後に希望があるのがまたとても良いです。

    喜久屋書店 高岡店
    京田裕子

  • 終わりがわかっているからこそ、この物語はなおさら愛おしい。

    TSUTAYABOOKSTOREそよら成田ニュータウン
    真田恵一

  • エミルの視点から始まるこの物語は、エミルの病気の進行と共に視点が移り変わる。視点の細かい揺れはエミルの意識のブレの表れなのだろうか。
    ジョアンヌが少しずつ人間味を帯びてくるのは、旅する土地の人々との交流やエミルとの感情の交歓があってこそだった。黒装束に身を包んでいること、土地を逃れてきたこと、彼女が強くあろうとしたこと、すべてが分かった時彼女のすべての行動が肯定されるのだと思う。
    ジョアンヌがサンチャゴと同様旅に出たのは、宝物(オパール)を求めたわけではない。第一歩を踏み出した勇気は今生の別れに向けて加速する。
    ジョアンヌはジョセフ・トム・エミルに対してどこまでも誠実だった。それが彼女の苦しみともなっていると思う。
    運命は非情だ。父ジョセフの与えたのは人を愛する幸福と更なる試練だった。彼女は何度涙を流せばいいのかと切なくなった。
    ジョアンヌが新しい命と穏やかに健やかに生きていることを信じたい。

    ジュンク堂書店芦屋店
    山ノ井さより

  • 分厚さと、翻訳本というところで慄いていた過去の自分を戒めたい程、読み始めたらあっという間だった。
    エミルとジョアンヌの2人の旅がとても愛に溢れ、パリ以外には行ったことないから想像でしかないが、自然が溢れる心が豊かな旅路に、到底エミルにとって人生最期の旅とは想像ができなかった。
    壮大である一方、内面との闘いも描かれていて、そのギャップに多くのことを私も思い出し、ジョアンヌが度々引用する名言のように、読む人、読むタイミングによって多くの想いが出てくるのが楽しみである。読み終わってすぐにでももう一度、彼らの旅路を読み返してみたいと思った。この作家さんのファンになる人がこの夏続出することを願う。

    くまざわ書店新潟亀田店
    今井美樹

  • 大いに読み応えのある作品でした!!今まで読んできた海外作品の中でも読みやすく、トップレベルに「面白かったぁ」と思わせてくれました!常套文句である「感涙必至」などといった枠では収まってはいけない作品であると思います!この物語が日本にやってきたこと、並びにこの本を読むことができたことに喜びを感じます!

    未来屋書店板橋店
    蕪木文哉

  • 美しく暖かく、哀しみも喜びも詰まった、まさに人生そのものの旅をともに経験した。
    1人でも多くの人に、この旅を、読書体験をしてほしい。

    くまざわ書店松戸店
    加藤敏之

  • 余命宣告されてるエミルが選んだ道が最善策だったのかどうかはわからない。それでも自分の人生は自分のものだと強く訴えかけられるようです。
    彼を愛する家族や親友の姿はエミルが旅する間には描かれていないからこそ想像してしまう。
    愛しているからこそ、彼等もきっと葛藤していたことでしょう。
    沈黙を愛するジョアンヌとの旅は、行く先々での人々との出会い、素晴らしい景色、病魔との闘い、突拍子もなく思えた2人の選択に翻弄されつつ、気づけばどっぷりと物語に浸っていました。
    過去を振り返り未来を思い描くことも時に必要なことだけど、何よりも今を生きることが大切。2人の姿に心震えた。
    もうラストは寝食を忘れて読み耽ってしまった。
    忘れられない読書時間です!!

    未来屋書店大日店
    石坂華月

  • 今、フランスで最も読まれている超人気ミリオンセラー作家のデビュー作。
    上下巻で800頁越えと云う、なかなかのヴォリュームであるが、読者を眠らせ無い『睡眠不足本』である。
    26歳で若年性アルツハイマーの診断を受け余命2年の青年エミルは、最期の旅の同行者をインターネットで募集する。
    1週間後に届いたのは、ジョアンヌという少し風変わりな若い女性からのメッセージだった。
    二人の旅が始まる……
    自分が自分である内に自身の美学を貫きたかったエミルは、逆に全てを失いそうになる。
    そんな中、少しもどかしかった二人の関係が時間と共に打ち解け合い、真の心のパートナーへと昇華して行く。
    文章が美しく、心理描写が巧みで、思いもよらぬ展開、緊張と緩和、感動の結末。
    こんな小説が読みたいと云う要素が全部詰まった傑作。

    高坂書店
    井上哲也

  • 海外文学をこれまで触れてこなかったわたしでも大変読みやすく、すぐ世界観にのめりこめました。
    最初「このあとどうなるんだろう」とエミルと共に不安になってしまった二人の旅。
    美しい風景の数々、あたたかな人々との交流のおかげで、時に訪れるトラブルも二人は乗り越えて、絆を深めていく。その様子に思わず微笑みながらも、ページを捲るたびに二人の別れも近づいているのだと思うと心が痛んだ。
    しかし、ラストに悲観は一切なかった。青く、やさしい光がジョアンヌを、彼女のこれからを照らしていて、読者の我々も安心して本を閉じることができた。

    ブックファースト梅田2階店
    後藤亜衣理

  • 喪失の物語には違いないのだけれど、間違いなく再生の物語でもあった。
    深い悲しみに心が締め付けられても、これまでのふたりの旅路を振り返り、心が慰められる。この旅は、失うばかりじゃなかった。
    琴線に触れる旅の「最期」に涙が溢れ、文字が霞む。雄大な自然に囲まれながら、大地に、母の同胞に還る。やはり、人間も自然の一部だ。
    自分にとって納得できる人生最期の迎え方は、何だろう。まずは今の自分に誠実に向き合いながら生きようと思う。

    未来屋書店明石店
    大田原 牧

  • これは読まなければ。自分の直感は間違ってなかった。読み終わった後は放心状態になる程色んな感情で溢れた。なんでこんなに美しい物語が描けるのだろう。本当に素晴らしかった。

    宮脇書店ゆめモール下関店
    吉井めぐみ

  • 読み応えがありそうなページ数なので、
    数日に分けて…と思っていたら物語に引き込まれて一晩で読み終えてしまいました。
    瑞々しい風景の描写、懸命に生きる人々の美しさや愛。旅先で出会うひとの暖かさ。
    私の琴線に触れました。彼らの旅に自分も加わっているような、そんな錯覚を覚えます。
    エミルの生きた軌跡を読んでほしい。
    記憶を失っていくエミルのそばに居続けた
    ジョアンヌのことを知ってほしい。
    エミルは記憶を失っていきつつも、ジョアンヌに大きな力を与えた。それはジョアンヌの希望となり生きる糧となっただろう。願わくばジョアンヌが幸せに暮らしてほしい。読み終えてそう思いました。

    くまざわ書店調布店
    山下真央

  • もう、もう、めちゃくちゃ良かった。最初、分厚さに戸惑っていたけど、読み始めたら、戸惑っていたのがバカみたいに思えるくらい、一気に読んでしまった。雄大で、そして、美しい景色、そして、エミルとジョアンヌの心情が丁寧に描かれていて、心に染みる。生き方や死に方について、とても考えさせられた。ぎこちなかったエミルとジョアンヌの関係が、徐々に打ち解けていくのと反比例して、悪化していくエミルの病状。記憶を無くす恐ろしさと辛さは、当人もだし、相手も辛くて切ない。ラストの終わり方がチャーミングで洒落ていて、素敵。こういうのは、日本の小説にはあんまりないから、本当にいい。エミルは、ジョアンヌに出会えて、本当に良かった。ジョアンヌはエミルに出会えて、本当に良かった。そして、私達、読者は、この小説に出会えて、本当に良かった。泣きすぎて、目が腫れてしまい、これから仕事なのに、とても困ったけど…...。

    精文館書店豊明店
    近藤綾子

  • エミルの出したパートナーの条件には、
    精神的に健康な人(僕がだんだんと記憶を失う恐れがあるので)なーんてことまで書いてあって、そんなのに応募する人なんているの?!
    と、思っていたら、ジョアンヌという謎の女性から返信が。
    この2人のピレネー山脈へのキャンピングカーでの旅は、景色が、日々が、美しければ美しいほど、彼らの関係はどうなるの?と気になり、謎めいたジョアンヌは一体何故こんな旅のパートナーとなったのかと、物語の先が益々知りたくなり、はじめは怯んでしまいそうな分厚い本なのにスラスラ読めてしまうという......。
    全てが明らかになり迎えたラストは、エミルの思いやりに胸がいっぱいになり、
    ジョアンヌの幸せを願わずにはいられません!
    私も、夏の美しい日があればこの物語を思い出しそう。
    最後のエミルからの追伸、なんて素敵✨✨✨✨

    是非映像化していてだき、2人が見た景色を私も見たいです!

    須原屋コルソ店
    大瀧裕子

  • 本を読みながら音が聞こえてきたのは初めての感覚でした。音だけでなく読むうちに五感がするどくなっていく感覚。すごく不思議な体験だった。この本の中にはたくさんの名言が散りばめられていて特に心に残ったのは『自分の外にある些細なことが自分の内面にどう響いているのかが大事なの。わかる?この音が私たちに何を感じさせ、この景色が私たちの中に何を生み出すかを見るの』このことを意識して生活すると今までと同じ日常がちょっと深みをもちはじめた気がします。エミルとジョアンヌと短い時間だけど一緒に旅ができて良かったです。

    未来屋書店レイクタウン店
    逸見夏来

  • 読んでいる間も、ふとした時もずっと彼らと一緒に旅をしている気分でした。
    最初はその厚さに怯みながらも、物語の終焉が近づくにつれて寂しさが増し、読み終わりたくない、そんな気持ちになりました。
    あなたが今道に迷っていると思うならこの本と一緒に旅をすべきだと思う。
    今この瞬間を味わう。ふたりの目線を通して見える世界に委ねる。
    最後のページを読み終えて本を閉じるときに、見える世界は変わっている気がする。
    一緒に生きていた、この感覚は貴重な体験でした。
    諦めずに読んでよかったです。

    AKUSHU BOOK&BASE
    石田美香

  • ただ景勝地を巡る人生最期の旅じゃない、フランスの作品らしく時にこれは鬱展開じゃないかと思うほどに、アルツハイマーである現実を突きつけてくる。その天国と地獄の落差の塩梅がまさにフランス!という感じで堪りません。
    どうしてこんなにも美しく、残酷で、美しい物語なのでしょう。締め切りギリギリに読み終わってしまったことを激しく後悔しています。せめてあともう一度じっくり読み返したかった……このあと2周目に入らせて頂きます。
    読み終わった直後は、ジョアンヌの人生に青空が戻っきて良かった!と思っていました。しかし感想を書いているうちに、この物語は彼女の人生に青空を取り戻す物語ではなく、再び青空を見つめることができるようになるまでの物語だったのではないかと思うようになりました。ジョアンヌにとって青空を見上げることは、ブルートムを見つめることと同じだったはずですから。
    少しだけフランス語をかじっているのですが、「Tout」を「はてしない」と訳されている訳が読んでいる内に判明した時は感動に打ち震えました。あまりの美しさに原文で味わってみたくなるのですが、きっと私がそのレベルに達するより先に邦訳が続々と発売されるような気がしています。
    そして間違いなく、この作品は年に何作か出会える、本当に読んで良かったと思える作品でした。

    佐賀之書店
    中垣 歩

  • 2人と一緒にフランスの自然や田舎町を堪能し、人との触れ合いに癒されました。2人が出会ったのは奇跡ではなく、必然だった。
    ジョアンヌの決断に涙......。

    丸善津田沼店
    安井理絵

  • 最初は外国文学でこのボリュームに怯みましたが読みやすくすいすいと読むことができました。死を予感させ苦しいことがある物語ではあるけれど、素晴らしい景色、色々な人との出会いや別れなど旅の魅力がいっぱいで、ラストも悲しいけれど希望を感じられる素敵な作品でした。生きること死ぬこと、自分のこれまでやこれからを考えさせられる作品でもありました。

    紀伊國屋書店ゆめタウン博多店
    富田智佳子

  • 余命宣告を受けてあと2年しか自分に残されていないと知った主人公のエミルは、誰かに同情されて病院で死ぬより自然の中で死にたいと願って旅に出た。また、旅の同行者であるジョアンヌも複雑な過去を抱えている。そんな二人が旅をする中で過去と向き合い、病気や家族と向き合って互いに変わっていく様子がよかった。病気の症状が悪化して過去に戻ってしまうエミルと最後まで見届けると決めたジョアンヌのやり取りは読んでい苦しくなったが、最後の決断や展開はきっとあれでよかったのだろうと思うと、ジョアンヌに幸せになって欲しいなと思った。

    くまざわ書店取手店
    石井菜月

  • エミルの尊厳ある死への旅であり、ジョアンヌが深い心の傷を癒やし、自分を取り戻すための長い旅でした。互いに「この人でなければこの結果にならなかった」と言えるパートナーに巡り逢えたのは、とてつもない幸運だったと思います。
    ジョアンヌはエミルの望みを全うしなかったけれど、おそらくそれが正解だったのでは。相手が母としての思いを知るジョアンヌでなければ、エミルの死はむしろ悲しみのまま終わっていたかもしれない。最後は明るい未来を感じられて、幸せないい結末でした。

    ジュンク堂書店上本町店
    光定真美子

  • この膨大な文章のなかに絶望と希望と忘れてしまっても消えない美しい記憶が詰め込まれていました。最後を知ってから永遠に繋がる絆に体から込み上げる熱い何かで胸が苦しくなりました。

    岩瀬書店富久山店
    吉田彩乃

  • 分厚さに怯みつつ手に取ったけれど、不安すぎる旅の始まりに、少しずつ明らかになる2人の過去に、心が通う嬉しさと病の残酷さに、いったんページを閉じる場所が見つからないくらい没頭してしまいました。
    美しい自然と街並み、そしてあたたかい人々に触れ、本当の自分、本当の絆を探す旅。
    やがて最期のときが訪れるのは分かっているけれど、2人の日々が穏やかで幸せなものでありますようにと祈りながら読みました。

    ピレネーの山々と深く青い空、人生の深淵をみせてくれる数々の名言に彩られて、自分と向き合う日々。
    未来と過去を奪われ、究極の形で見つめる「今」。
    旅の中で、エミルはジョアンヌが見せてくれた世界で後悔から解放され、ジョアンヌはエミルが交わしてくれた約束によって救いを得る。
    そうやって培った絆が、大切な気持ちが、人生の意味が、手に入れた先から失われていく…。
    病による喪失に、虚しさを感じてしまいそうになるけれど、大切なものを手に入れては失い続ける、生きるとは本来そういうことなのだ。
    旅には終わりがあるからこそ楽しいように、生きることも、限られた時間の中にあるからこそ美しい。

    終盤、ジョアンヌがエミルとの旅に応募してきた理由、そして旅の始まりに現れた彼女がどんな状態だったのかを知り、この旅で2人に訪れた数々の素晴らしい瞬間が、一層かけがえのないものに思えました。
    エミルにとって本当に納得のいく最期はどんなものなのか。ジョアンヌが導いた最期のときは、2人がたくさんの人の想いに囲まれているのを感じて胸がいっぱいになりました。
    美しいフランスの風景と2人の人生を、一緒に旅したような濃密な時間でした。

    紀伊國屋書店京橋店
    坂上麻季

  • ケーキを自分のすべてで味わうことを覚えたら、ほかの瞬間も同じようにして味わってみる。その瞬間の連続が、人生と呼べるものになるのかもしれないと思わせてくれた作品でした。たとえどんな不安定にさらされても、ケーキの味わい方さえ知っていれば、自らの人生にふたたび自らの足を下ろすことができるのかもしれない。人生を哲学し続けるために、長くそばに置いておきたい一冊。

    紀伊國屋書店入間丸広店
    牧野美沙都

  • 若年性アルツハイマーを患い、余命僅かのエミルと、悲しい過去を抱えたジョアンヌ。
    二人の旅を通して過去と未来について考えました。
    この作品に完全に正しい人は出てきません。
    人には素直で魅力的な部分と、頑なで困った部分などあります。おせっかいだったり、勇気がないのも短所といえるでしょう。
    それでも、互いに理解し合い、好きを掛け合わせることで日常を輝かしいものにしていく光景はとても素晴らしく美しいものとして描かれています。
    それは人間だけでなく、自然もそうでした。
    脅威になる面と、癒してくれる面があります。
    この作品は私たちの日常をより美しく、尊いものであると教えてくれます。周りには大切にすべきものがたくさんあると気付かせてくれます。
    「幸せ」の居場所を示してくれます。
    読後、見上げる空の青さや、広さがあなたの心を解放してくるでしょう。

    紀伊國屋書店仙台店
    齊藤一弥

  • 残された時間の旅は短く現実は残酷で胸が締め付けられたが、命の尊さ愛の深さに感動で涙が止まらなかった。
    絶望を背負った2人が旅をし空を見上げる。
    言葉少なかった2人が心地よい日々を過ごし
    お互いに惹かれあっていく
    なんて残酷な現実だろうと辛かったです。
    最後の約束を破り父母に連絡入れたのは
    ホッとしたが
    安らかに旅立つ時のエミルの気持ちを叶えた時の
    ジョアンヌの切ない気持ちで大号泣でした。
    ジョアンヌこれから幸せになってほしい

    800ページと思わせない位読みやすくエミルとジョアンヌと一緒に旅をしているようでした。

    未来屋書店武蔵狭山店
    柴田路子

  • ふと死に囚われて、いつまでも眠れない夜がある。子供の頃は死という概念が理解できなくて恐ろしかったから。大人になって歳を重ねた今は死を身近に、自分ごととして感じてしまうから。次その時が来たら、きっとこの小説を想い出してしまうんだろうな。
    そして少しだけその恐怖に立ち向かえる気がする。

    ジュンク堂書店秋田店
    進藤菜美子

  • 過去と未来に打ちのめされ今を生きる物語、ふたりで。
    若年性アルツハイマーという残酷な病に冒され、未来を閉ざされ過去も失っていくエミル。
    過去の傷を抱え苦しみ続けるジョアンヌ。
    それでも懸命に今を生き支え合うふたりの姿に胸打たれました。
    ピレネー山脈の情景描写に旅に出たくなる美しいロードノベルでした。

    文教堂二子玉川店
    藤森雅人

  • 2人の行く先々の景色を調べながら、ゆっくりと時間をかけて拝読いたしました。インターネット上の写真ですら美しいと感じたのですから、実際に目にする際には、また異なる感動があるのだろうと思います。
    エミルとジョアンヌ、2人の人柄が良かったです。旅の中で2人の距離が縮まっていく様子があたたかく感じられました。
    最後の部分は涙が止まりませんでした。
    今、感想を書くために好きなシーンを読み返しておりますが、それでも涙が溢れてきます。物語の中で引用されている名言が美しく、エミルが名言を気にいるのと同じように、私にも言葉がすっと響いてきました。
    物語全体を通して温かい気持ちになりました。読めて良かったです。美しくてあたたかい物語でした。是非、多くの方に読んでいただきたいと思います。
    長くなってしまい、申し訳ございません。読ませていただきありがとうございました。

    ACADEMIA大垣店
    井上明香里

  • 死を待つ人生ではなく「自分で選ぶ最後の時間」を求めて旅に出るというそんな決意から始まる物語は、力強さと切なさを同時に携えながら、読む人の心を深く揺さぶってきます。
    それぞれ時間軸に消せない傷を抱えている者同士が出会い「いまここ」にしか存在できない一瞬を全身で生きる姿から「時間」と「選択」の価値「思い出より今を生きる」ことの尊さに強く惹かれていきました。

    メリッサさんの筆致はすごく柔らかく繊細で、風景すらも呼吸しているかのように美しく、詩のように静かに心に届きました。本を手にしている私自身も、その旅路の中に生きているかのような生の実感を呼び起こされます。
    そして私はいつも「誰かの心から出た言葉」に最も動かされます。
    外国文学には時に感性の違いに戸惑うこともありますが、この作品は国境を越えて響き合う「忘れられても、心に残る物語」です!
    愛や希望、生きることへのあたたかな光をそっと差し出すような、人が人に与えることのできる、最も純粋な奇跡のように感じられ
    永遠を体現した物語にとても感動しました。
    これはまさに語られ、手渡され、きっとどこかで誰かの「人生を変える読書体験」になる!その確信とともに、この本をおすすめしたいです。

    紀伊國屋書店グランフロント大阪店
    豊永 大

  • 「もっとも悲劇的な旅立ちは、結局はなされなかった旅立ちである」
    たとえそれが終わりのための旅立ちであったとしても、その旅の終わりに必ず悲劇が訪れるとしても、それでも
    最期まで生き続けるための旅立ちだったんだな。
    若年性アルツハイマー。20代でその宣告を受けるという絶望。
    夢も希望も失って、ただ二年という余命を治療に費やすという選択もある。けれど、それってなんのため?
    家族であれば一日でも、一時間でも長く生きて欲しいと願うだろう。たとえ、病院でたくさんの管につながれた命であったとしても。
    けれど、それで生きていると言えるのだろうか。一日、一時間の延長のために、何十何百何千という時間を費やすのか。
    エミルの選んだ道は、家族にとってはある意味裏切りなのかもしれない。勝手な選択だと、責めたくなるだろう。
    けれど、自分の残りの人生を、自分で決める自由は、誰にでもある。
    病院で一日の延長を待つより、たとえ二年より短くなったとしても、自分の時間を自分で生きるために旅立つ自由を選びたい、だってその旅は命の始まりへと続くのだから、きっと。
    エミルの最期の旅の同行者、ジョアンヌもまた、旅を必要としていた。
    二つの魂が出会い、二つの旅が重なったのは、必然。
    「世界ではいつだって、誰かが誰かを待っている」のだから。
    長くて短い二人の旅をずっと一緒に感じていた。
    青い空と、青い海。いつか終わるその旅を私も共に走っていた。
    そばで苦しみ、そばで悩み、そばで笑った。かけがえのない時間をありがとう。
    つながっている。空も海も。はてしない青が。こんなに悲しくうれしい最期をありがとう。
    私の大切な人たちもそこにいるから、きっとみんなで楽しめると思うよ。
    あおい世界で永遠の旅を。

    精文館書店中島新町店
    久田かおり

  • 余命わずかの主人公のロードノベルなんて絶対簡単に泣かされないぞとかなり用心して読み始めましたが、あっという間に物語に引き込まれていました。病気のことも忘れるくらい旅の途中で出会う人たちとの関わりやこれまでのエミルの人生に夢中になり、ふいに「そういえばこの人、病気だったんだ」と思い出し先の旅路に不安になったりしながら読み進めました。もちろん、最後は涙があふれました。それはエミルが死んで悲しいというよりも、読書を通じてエミルやジョアンヌの人生に関われたことへの感謝と愛おしさからくる温かい涙でした。異国の話とは感じない、自分も旅路にいて2人と何度もすれ違っていたような、密度の濃い時間を過ごせました。

    金沢ビーンズ明文堂
    表 理恵

  • 不思議な縁で出会った二人が残された時間を数えるのではなく時を積み重ねてゆく。残りの人生のいつも最初の日々は鮮やかに色づいて豊かに輝いている。たとえ忘れてしまっても日々が消えてしまうわけではなく、新たに続く道があることを二人の旅路が教えてくれる。

    書泉ブックタワー
    山田麻紀子

  • 涙がとまらなかった。うまく言葉にならない。
    生きることの意味、旅、出会い、自然、瞑想。
    いろいろな要素が私の目を開かせてくれた。
    「受けとることを受け入れるのは寛容な行為……。おそらく、与えるよりさらに寛容なね」
    この言葉がとても印象に残った。

    未来屋書店つくば店
    堀口 愛

  • 最初のうちはエミルにもジョアンヌにも共感できなくて、ふたりの旅にも不安しかなくて、読み進めるのがつらくなるかなと思っていたのですが、後半はずっとこの旅が続けばいいのに、と祈るような気持ちで読んでいました。
    ジョゼフが約束した「おまえを守って、おまえを幸せにしてくれる旅のパートナー」それがふたりを引き合わせたという奇跡にもう涙がとまりませんでした。
    エミルが旅立ったあともジョアンヌの人生は続いていくからこの先どうなってしまうのかと胸が痛かったけど、前を向いて生きていけそうで、きっとささえてくれるひともたくさんいて、しあわせな気持ちで本を閉じることができました。
    この美しい物語がたくさんのひとに届きますように。

    TSUTAYA弘前店
    唐牛夏子

  • ボリュームがありますが、すらすらと読めました。
    余命の限られたエミルがジョアンナと共に素晴らしい「今」の過ごし方を見出していく様に、静かに心を揺さぶられました。そしてとにかく情景描写や心理描写が繊細で美しかったです。

    草叢BOOKS新守山店
    石田 祥

  • エミルとジョアンヌと一緒に壮大な旅をさせてもらったような気持ちで、胸がいっぱいになりました。自然の美しさや人々のやさしさをより濃く思い描くことができました。エミルとジョアンヌに訪れる変化はとても喜ばしく、幸せになってほしいと心から願いました。ジョアンヌの強さに驚かされました。ミルティユをはじめ、出会う人々がみんな素敵で、楽しそうで、旅によってこんなにも人との縁ができるものなのかとわくわくしました。多くの感情をもたらせてくれた、この本との出会いに感謝します。

    最初はエミルが家族と離れて心が穏やかになり、生きる喜びや日々の幸せを感じることができてよかったとそれだけでした。ただ、エミルの言動や家族にあてた手紙やノートからも彼がとても家族に愛されて育ったことを強く感じていました。だからこそ、この最期が、エミルからの贈り物がとても愛おしく涙が止まらなくなりました。素敵なエンディングでした。

    読んだ次の日に「アルケミスト」買いました。

    コーチャンフォー新川通り店
    木村美葉

  • 物語終盤はもうずっと泣きっぱなしでした。
    ジョアンヌがエミルの母に「エミルは最後、ずっとあなたと一緒にいました」で涙腺崩壊です。
    読み終えてから物語を反芻しようとすると
    映画のように美しい景色ばかりが思い浮かんできて、そのブルーの美しい景色の中にエミルとジョアンヌのふたりが楽しそうに笑ってる姿しか思い浮かばず、また泣いてしまってもう止まりません。
    曇ってるときも大雨のときも、ふたりが幸せそうに過ごしてるのがとても美しかった。
    きっとエミルはトムとジョゼフと天国で仲良く過ごしてることだと思います。
    そして、ジョアンヌはきっとお腹の子オパールとポックやマルジョリーたちと
    幸せな人生を歩んでいくんでしょう。
    エミルとジョアンヌを引き合わせてくれたのはジョゼフに間違いない。
    感想書いてたらまた泣けてきました。
    きっとトムはこの感動の青もその瞳に映してたしまうんだろうなぁ。
    この美しく、儚い、そして果てしなく幸せな物語をたくさんの人に知ってもらいたい。
    そしてふたりの美しい愛に涙して欲しい。

    大垣書店イオンモールKYOTO店
    村瀬萌夏

  • どのように生きるか、どのように死ぬか、を自分で決める。期限が限られているから大切に。ボリュームがあり死への旅路と考えると読み始めは、のみこみづらかったですが、途中からは一気に読めました。

    くまざわ書店下関店
    村上真美

  • 自分ならどうするだろうと問い続けながら読みました。始めは無謀にも見えた二人の行動から、たくさんの大切なことを教えてもらいました。ジョアンナの生い立ちや人となりにも非常に感銘を受けました。映像化されるとのことで、豊かな自然の描写も含め楽しみです。あらためて読書することは、新しい目を持つための心の旅なのだと思いました。多くの人に、二人の美しい旅を最後まで見届けてほしいと思います。

    未来屋書店羽生店
    鑓田玲子

  • 美しい旅、厳しく優しい自然と人生が交わり、後悔し、哀しみにおおわれていた人生を思い返し、生きる喜び、愛を信じる旅だった。疑心暗鬼でぎこちなかった二人の気持ちが次第に溶け合っていく様がドラマチックに優しい筆致で描かれていた。引き込まれて、こんな生き方も素晴らしいと心から思った。エミルはずっとジョアンヌの心の中に、微笑みながら、存在し、生き続けていくと確信する。

    ジュンク堂書店滋賀草津店
    山中真理

  • 「空間」を旅して過ごす「時間」の中に生まれる「人間」の尊い生。

    くまざわ書店錦糸町店
    阿久津武信

  • 自分の為に誰かの為に、空の青のように自由な人生の旅に涙した。

    うさぎや矢板店
    山田恵理子

  • ただ一緒にいる、それだけで美しい時間。

    コメリ書房鈴鹿店
    森田洋子

  • 800P越えのまるで鈍器のような厚みある本、読みはじめは読んでも読んでも全然終わりが見えてこない長さにひるみもしたりしたのですが、おかしいことに残り200Pきってくるとこの旅が終わらないで欲しいと読みはじめと真逆な気持ちが表れてきたりしました。なぜエミルは最期のときを愛されている家族や仲間たちから離れてることを選んだんだろう、またこんな無謀な旅の友としてジョアンヌは名乗りでたんだろう・・・って疑問がありましたがエミルたちの旅が進むにつれ理解が深まってきて、この旅がいつまでも少しでも長く続くようにと願ったりしました。読後は書名のようなに「空、はてしない青」のような青空が私のなかにも広がっていくのを感じました。

    蔦屋書店長野徳間店
    宮川謙一

  • 余命わずかと宣告されたら、自分はどう生きるのか?この問いに向き合った主人公は、ネットの掲示板で知り合った女性と旅をする。
    彼女から様々なことを教わり、また自身も新しい視点を彼女に与えることで命とは、幸福とは、をお互いに見つめ直します。
    様々な愛と空の青さの奥深さが二人を幸福へと導く旅を読者は共にできるでしょう。

    正和堂書店
    猪田みゆき

  • 長い物語で、自分でも最後まで読み終えれるか自信がありませんでしたが、スラスラと読む事が出来ました。
    景色の描写が素晴らしく、美しい山々の峰、荒廃した礼拝堂、緑豊かな小さな村。
    目を閉じると情景が浮かんでくるような感じでした。
    物語の途中で出てくる「言葉」の引用がどれも素敵で、その都度、感動してしまいました。
    エミルとの別れの章は正直、重く辛いものでした。
    最後の最後に両親に託すジョアンヌの優しさ、母親としての強さ。
    そして、迎えるエピローグでのジョアンヌとマルジョリーの対面。
    結末を知った時の衝撃と喜び。
    別れの話で悲しいはずなのに読み終えた後、心が満たされるような気持ちでした。
    「読んで後悔させない物語」と人にオススメしたい作品でした!

    未来屋書店宇品店
    森島 恵

  • プルーフが届いた時は、ずっしりとした重みに若干驚きましたが、読み始めると本当にスラスラと読めました。
    エミルとジョアンヌの愛が重なったシーンからは物凄いスピードで読み進めていました。

    限られた時間という切ない気持ちを抱えながら2人と共に旅をしました。
    旅の終わりには自然を、人を、命を、もっと愛したいという感情が残りました。
    作中に出てくる名言を借りれば、
    この物語を読んだことで私は、"これまでと違った新しい目"をもったような気がします。


    物語そのものがとても豊かで、読んだ人々の心を透き通らせる物語だと思います。

    宮脇書店金沢文庫店
    気羅紗まどか

  • 青い空の向こうからあなたに合図がくる、大切なあの人から

    啓文社ポートプラザ店
    井戸佳子

  • 運命と向き合い、重い現実を正面から見ているのに、どこか軽やかでなぜか受け入れやすい不思議な感覚がありました。そこでは常に作者の優しさや強さに包まれていたように思います。物語が終わった後もその余韻が長く残りました。
    時間が経っても空を見るたびに自分の記憶のどこかからこの物語が支えてくれるような気がします。

    焼津谷島屋吉田店
    河本理絵

  • ページを閉じて溢れる涙と微笑み余韻が沁みる尊い一冊に出会いました。

    未来屋書店入間店
    佐々木知香子

  • 若年性アルツハイマーで余命2年を宣告された男が家族から逃げ出しネットで同行者を募集し最後の旅に出る。応募してきたのは黒い帽子を被った風変わりな若い女性。全く知らない者同士のエミルとジョアンナの旅は大自然の中を走りながらお互いのベールが取れてきて絆が生まれる。 大自然の中の冒険譚とか、奇跡の心震わせる大恋愛物語とか陳腐な言葉で表現したくない。小説というよりノンフィクションのようなリアリティを感じさせる作品だと思う。全く赤の他人が毎日一緒に旅をする事でお互いの表情や言葉から少しずつ理解し合い、シンパシーを感じて心を通じ合わせなくてはならない存在になっていく。自然の厳しさや出会う人々との交流、過去と現在が交錯しエミルの病の進行、ジョアンナの過去の心に受けた傷も自然に描かれている。男女の愛を超えた愛情を二人の中に感じた。最後の最後に涙が溢れ声を出して泣いた。避けられない現実はどうしようもないが、それを乗り越えていく力を与えてくれる作品だ。

    ジュンク堂書店三宮店
    鈴木ひとみ

  • 寄り添うつもりが寄り添ってもらっていた。お守りのような物語。

    本・ひとしずく
    田中 綾

  • はてしない青とはてのない愛と共にある、美しい旅路の物語でした。

    紀伊國屋書店上智大学店
    石澤可菜子

  • この物語を愛と呼ぶなら、私は今まで愛というものを知らなかった。

    くまざわ書店守口店
    山中津加紗

  • 美しくて悲しい、そして幸福感あふれる小説。

    紀伊國屋書店新潟店
    片浜明子

  • この物語があなたの道標になることを願っています。

    未来屋書店高崎店
    吉野千鶴

  • 人生のルートは決まっていても、見る景色は選ぶことが出来る。

    啓文堂書店吉祥寺店
    久富咲紀

  • 結末が予測できる物語だと思われるかもしれません。 けれども、人生の終わりは誰にとっても避けられないもの。 だからこそ、そこに至るまでにどんな人と出会い、どんな風景を見て、たとえ過酷な運命にあっても、どんな道を歩み、どんな気持ちで生きたのか――それが本当に大切なのだと、この物語は教えてくれます。
    この小説を読むことでエミルとジョアンナの旅に同行し、マインドフルネスのような感覚を体験し、キャンピングカーでの旅のなかで自然と共に過ごしながら、“今”という瞬間を味わうことの尊さを感じました。
    この夏、デジタルデトックスをしてみたいと思っている方へ。 この上下巻だけを持って旅に出てみてはいかがでしょうか。 静かに自分と向き合い、人生と自然の深さに触れる時間になるかもしれません。

    水嶋書房くずはモール店
    和田章子

  • 二人の旅に寄り添え、人生を分かち合えて貰えて、心から嬉しい。

    リブロ福生店
    海老原眞紀

  • どう死にたいかを考えた。どう生きたいかが見えてきた。

    梅田 蔦屋書店
    河出真美

  • ふと生きることに迷い不安に思う時、灯火になってくれる物語。

    蔦屋書店イオンモール筑紫野店
    西川 愛

  • 命の尊厳を優しく、力強く伝えてくれる人生録。

    未来屋書店姫路大津店
    沖川幾美

  • 最期に二人が辿り着く場所は母なる自然。未来は青く美しい。

    蔦屋書店新発田店
    山口彩乃

  • 読み終えて思う。これはこの世界を生きる私達の為の人生の書だ。

    宮脇書店総本店
    栗本倫成

  • この夏の大人の課題図書!長い旅路の先に待つものを見届けてほしい。

    精文館書店新豊田店
    石川浩子

  • いつしか宝物ばかりの人生になっていた。最期に求めるのは何か。

    福岡金文堂志摩店
    伊賀理江子

  • 自分の人生は最愛の人たちとの協同作業で全うされ得る。

    芳林堂書店高田馬場店
    飯田和之

  • 最後の最後まで目が離せない美しく壮大な物語でした。
    誰かを想い、今を生きる。
    シンプルだけどこの上なく難しい…。登場人物を通して見るどこまでも透きとおった世界に心が動かされ、ここまで没頭して物語に入り込んだ経験はなかなかありません。旅が進むと共に明らかになっていく2人の過去や変化していくエミルとジョアンヌの関係性、お互いを思う気持ちに何度も涙がこみ上げました。最初から最後まで自分の人生を生きるための目を持つことの大切さを教えてくれた唯一無二の読書体験でした。そして今を生きる確かな「愛」を描いたこの物語を最期まで読むことができて本当に幸せです。

    紀伊國屋書店愛知産業大学ブックセンター
    柴田真奈美

  • 不可思議な縁が、失う過去/未来を愛で埋めてくれました。

    蔦屋書店高田西店
    佐藤玲於奈

  • 読んだあと、世界が違って見える。生きる価値を知ることができた。この本の中で一生忘れられない旅を経験した。

    HMV&BOOKS OKINAWA
    中目太郎

  • 人生を取り戻し必死に生き抜く覚悟をした二人のすべてが愛おしい。

    東京旭屋書店 新越谷店
    猪股宏美

  • エミルの前向きさと作中の名言に、生き方のヒントをもらえます。

    未来屋書店浜松市野店
    髙宮綾子

  • 人生の岐路に立った時、人は何を選択すべきか考えさせられた作品。

    芳林堂書店高田馬場店
    窪田聡美

  • この物語は私に涙を流させ悩みを分かち合い受け入れてくれた、だから私は今、何もかもが美しく見える。

    喜久屋書店小樽店
    渡邊裕子

  • 私は二人と共に五感を研ぎ澄ませ、広大な心の旅に出かけた。

    TSUTAYABOOKSTOREイオンモール白山
    宮野裕子

  • 自由で切ない旅の自然と二人の姿が寂しく美しい物語でした。

    中村書店本店
    田野向葵

  • たったひとりの大切な弟にたまらなく会いたくなりました。

    紀伊國屋書店小田急町田店
    田中沙季

  • 読了後、静かに流れていく涙を止めることができませんでした。

    未来屋書店碑文谷店
    福原夏菜美

  • どんな瞬間もあきらめる必要なんかないと思わせてくれる作品。

    BOOKSなかだイオンかほく店
    熊田明浩

  • 美しい青の世界に何を思うかで、その人を知ることができる。

    今井書店出雲店
    島田優紀

  • 「尊厳」という言葉の意味を、深く思いました。

    真光書店本店
    小林麻佳

  • 読後、世界は前よりも美しくそこにある。そんな一冊。

    フタバ図書商品部
    萩原健太

  • 何を思い誰に伝えたいか、極限でしか向き合えない本当の自分。

    蔦屋書店茂原店
    松浦直美

  • どう死ぬのか、とは、どう生きるか、ということ。

    TSUTAYA太子店
    大道幹子

  • 生と死を見つめて。限りなく果てしない青の物語。どこまでも優しくて温かく尊い。人の命の尊厳を守るために何が必要なのか。
    生きるということ。死ぬということ。一線上に繋がっている日々の営みの煌めきは計り知れない。

    いくつになっても、親は親で子は子で。
    ブルートムという存在がいたからこそ最期の最期で、エミルの望みではなく、母の、親の最大の願いに気がついたジョアンヌ。子を持つ母として、涙が止まりませんでした。
    自分の子どもの最期を看取りたい親の気持ち。
    子どもに戻ったエミルの母を求める切実な気持ち。
    どちらも切なく哀しく必然で。
    なんて美しい物語なのだろう。
    生命の輝きと自然の雄大さ奥深さ。細やかな心理描写で目の前に色鮮やかな自然と魅力的な人物たちが動き出す。何度でも読み返したくなる物語。

    文真堂書店ビバモール本庄店
    山本智子

  • 切ないのに満ち足りたうつくしい心の旅でした。

    紀伊國屋書店西武東戸塚S.C.店
    鶴見祐空

  • 沢山の美しいものを得る旅路。この物語のすべてが愛おしい。

    紀伊國屋書店梅田本店
    小屋美都樹

  • 自分を客観的に視れる人は、なぜこんなにもしなやかで潔く強いのだろうか。

    ブックファーストエビスタ西宮店
    堀脇真弓

  • 今までの人生を振り返っていく二人の旅路は、深く胸に残った。

    京都大学生協ブックセンタールネ
    卯月伽弥

  • まだ26歳のエミル。これからの人生を疑うこともなく生きてきた。余命2年の宣告をされた彼はなぜジョアンヌに出逢うことができたのか?その最期まで知って欲しい。

    明林堂書店フジ西宇部店
    田中由紀

  • たとえ希望を失ったとしても、それでも人生に意味はある。どんな人生にも意味はある。ブルートムの死、家族の死、友人の死、そして愛する人の死、たくさんの喪失を見つめて、受けれて、それでもまだ生きていたいと思わせてくれるような出会いとなった本でした。誰の人生にも物語はある。必ずあとに残るものがある。たとえ記憶を失ったとしても、そう信じさせてくれる強さが、この小説にはあります。読むことができて良かったです。こんなに分厚いのに、一気に引き込まれて読んでしまいました!

    丸善ヒルズウォーク徳重店
    熊谷由佳

  • 最期に私はきっとこの美しくて愛に溢れた物語を思い出す。

    紀伊國屋書店梅田本店
    辻本 彩

  • 青空のように深く、儚くて悲しくて、けれど本当に美しい物語です。

    戸田書店三川店
    後藤賢一

  • これは読書ではなく私達は800ページの自分の人生を生きたのだ。

    成田本店みなと高台店
    櫻井美怜

  • 閉じた本がずしりと、旅の余韻と共に心地よく手の中に残った。

    紀伊國屋書店高槻阪急スクエア店
    北辻祥子

  • いまを生きることと、命のきらめきに満ちた物語。ラストは圧巻!

    明文堂書店 高岡射水店
    野口陽子

  • 最初到着した時、なんじゃこの鈍器みたいな厚みは!?と思い、同封されてる用紙を読むとそこにも“鈍器”の文字…笑いました(笑)
    しばらく放置してると改めて封書で届いた熱い想いのこもった文書に心動かされ読み始めました。
    案外スラスラ読める…の言葉に偽りなしでした。
    翻訳小説特有の読みづらさや独特のニュアンスが一切なく、本当に滑らかで読みやすく、著者自身が日本語で書いてるのかと思うほどでした。
    翻訳の山本さんの凄さでしょうか。

    人生はよく旅に例えられます。
    どんな景色を見て、何を感じ、そしてどんな人と出会うのか…その繰り返し。
    エミルとジョアンヌの旅がまさにそれでした。
    普段の生活圏から離れて初めて見る大自然や町、そこに生きる人々。
    2人の目を通して自分も一緒に旅をしてるようでした。
    そしてなにより、旅を通してどんどん変化する2人の心と関係性に胸がグッとなりました。
    本当の愛とはこういうことなのかもな…と。
    旅は一人でもできるけど、最後まで共にできる、心の底から信頼し愛せる相方を見つけられたらそんな心強いことはない。
    命を預け、預かる…究極のかたち。

    自分がこのタイミングでこの作品に出会えたのも偶然で運命的。
    人との出会いと同じく、どんな小説と出会えるか…も長い旅を続ける中でとても重要。
    素敵な作品に巡り会えた事に感謝します。
    これからの人生でこの小説の事を思い出す瞬間が必ずあると思える、そんな作品でした。
    ありがとうございました。

    丸善髙島屋堺店
    辻林 遙

  • 大切な人と感想を分かち合いたくなる物語。あなたは誰と読みますか。

    さわや書店
    栗澤順一

  • それぞれの挫折と後悔。偶然の先には必然しかなかった。

    紀伊國屋書店広島店
    藤井美樹

  • 喪失の不幸は、人の歩みを止めるには不十分である。

    大垣書店イオンモール堺鉄砲町店
    藤本 徹

  • 人生を見つめなおしたいと思った時こんな旅ができたら素敵だと感じた作品。

    久美堂玉川学園店
    松原沙莉

  • 出だしから心掴まれ、早く早くとのめり込んだ。

    紀伊國屋書店武蔵小杉店
    鶴見真緒

  • 偶然ではなく、必然。二人が最期に出会えて、本当によかった!

    紀伊國屋書店仙台店
    小柴典子

  • 読後に吐いた溜息の長さ、それは人生の長さでもありました。

    往来堂書店
    高橋豪太

  • 限りある時間をどう生きたいかと深く考えさせられた。

    三洋堂書店新開橋店
    山口智子

  • 喜びも悲しみも、癒えない傷も、全部抱えて辿り着いた愛の深さに心が震えた。

    くまざわ書店西新井店
    塩 里依子

  • 美しい言葉と情景、彼らの生き様が私に生きる勇気を与えてくれた。

    紀伊國屋書店ゆめタウン徳島店
    原 健介

  • 生きていることがどれほどかけがえのない贈り物であるかを教えてくれた。

    興文堂iCITY店
    名和真理子

  • よく生きることとはどういうことか。小説の持つ底力を久々に体感しました。

    図書館流通センター
    松村幹彦

  • この忘れられない美しい物語は新たな旅への道標となった。

    大盛堂書店
    山本 亮

  • この出会いは導かれたのか。絶望の旅路から始まる魂の救済の物語。ボリュームに怯まないで。まずは1行。エンディングまで虜です。全ての人へ魂の再生の物語。あなたはこの2人が好きになる。

    ふたば書房京都駅八条口店
    宮田 修

  • 残りのページが少なくなるほど、命の終わりが近づいているように感じるのはとても辛かったけれど、悲しいばかりではなかった。美しい情景が目に浮かび、とても温かな気持ちになりました。人の心を動かす言葉の力にも感動しました。

    ジュンク堂書店明石店
    村中友希

  • こんなに美しい終活小説は初めてだ。2人と旅ができて幸せでした。

    TSUTAYA黒磯店
    桝谷 恵

  • 思い出と記憶をたゆたいながら、あの青空のような未来へと広がっていく。
    ロードムービーを観ているような心地で読了しました。美しく澄んだ物語に最後は感極まってしまいました。

    ねをはす HOTEL BOOK&CAFE
    川﨑 亮

  • ふつうに生きていること、身の危険を感じることなく生活していけること。現代の日本で生活している人たちにとっては当たり前のことかもしれませんが、広く外に目を向けてみれば、これは非常に稀有な僥倖ではないのか?とも思えてきます。その""ふつう""を望んでみたところで叶う見込みがない人たちも、現在は世界中でたくさん存在しています。それは外的状況だけからとは限らず、残念ながらその人自身の内側から発生してしまうことも稀ではありません。

    自分が自分自身のことをわからなくなってしまうこと、ちょっと想像してみるだけでも恐ろしくなってしまいます。周りに気を使われるのにも耐え難いし、なにより自分が周りのことを認識できなくなったとき、周りの人たちを悲しませてしまうことにも耐えられそうにありません。一切自分とは関係のない人たちの中で、自分の人生を終わらせたいと願うエミルの心情には同意せざるを得ません。ただ現実的にはかなり難易度の高いミッションになりそうですが。

    20代の若さでこの世界から退場しなければならなくなったエミルの心情を軽々しく理解できるなどということはとてもできそうにもありません。もし自分がそうなってしまったとしたらどうなってしまうのか?身体の自由が効くうちにやるべきことややりたいことを見つけることができるのか?甚だ疑問に思われます。ただ呆然としてしまい、周りに当たり散らしてしまうかもしれませんし、このやり場のない憤りを持て余して自暴自棄になってしまうかもしれませんね。

    そんなエミルの前に現れたのは寡黙でおとなしいジョアンヌでした。自発的に自分の気持ちを言葉にすることもなく、ただ流されるままにこの世界を漂流しているかようです。一緒に旅を続けるうちに徐々に心を開いてくれるようになってはきましたが、なかなかその本心を見せてはくれません。レオンからかかってくる電話を気にしながらも、残念ながらエミルも自分のことで精一杯で、ジョアンヌの内面にはうまく入っていけないようです。

    生き物には各々、その生物が持っている独自の成長過程があるように思えます。その生き物自身のタイミングで、各々がなるべきときにその各々のペースで成長していければ一番よいのでしょうが、残念ながら現代ではその各々のタイミングやペースで成長していくことはかなり困難になっているようですね。周りに合わせて各々のペースを調整しながら成長していくというのは、たとえ健全な人たちにとっても難しいミッションかもしれません。

    発育に多少問題を抱えているトムにとっては、この現実世界が耐え難い魔境のごときものであったのかもしれませんね。なかなか自分の思いを周りに伝えることができず、おそらく彼自身も歯がゆい思いを抱いて日々を過ごしていたのではないでしょうか。単一栽培など存在しない自然界では当たり前のことだとしても、私たちが生きているこの世界では馴染まないことは残念でなりません。きっと彼には彼特有の才能が備わっているはずなのですから。

    父親のジョゼフを亡くしてからたった一人の味方であるはずのレオンも、両親の呪縛からは逃れられずジョアンヌを一人きりにしてしまいました。ジョアンヌの方が正しいとは思いながらも、両親のことも突き放すことができず、心ならずもジョアンヌに去られてしまいます。トムを亡くした後、どうすればよかったのか?考えても考えてもその答えにたどり着くことは叶いません。無力な私たちには、ただ寄り添うことしかできないのかもしれませんね。

    世の中には私たち人間の力や努力だけではどうしようもないことが確かに存在しています。それが運命だと諦めてしまって、その宿命に唯々諾々と流されていくのも一つの選択かもしれませんが、たった一度の人生、とにかくジタバタしてその運命とやらに抗ってみるのもありかもしれません。ジタバタしたところで結果はたいして変わらないかもしれませんが、もしかしたら何かが変わってくる可能性もないわけでもない、と信じてみたいものです。その姿を見てくれている存在もきっとあるはずです。

    エミルがジタバタしたおかげ?でジョアンヌと出逢うことができました。エミルが両親の方針に従っていれば、穏やかな最期を迎えられたのかもしれませんが、それがエミルにとって最善の選択であったなどとは到底思えません。エミルを手助けすることでジョアンヌも心の傷と向き合えるようになり、ジョアンヌもエミルの家族と出会うことができて、彼女の人生は新たなターニングポイントにたどり着けたようです。彼女と娘さんの未来が健やかで明るくなることを願うばかりです。

    NET21恭文堂書店学芸大学店
    菅原 豪

  • 大切な人が天国から「うまいこと合図を送るから」このセリフが頭からずっと離れない。1番好きなセリフだ。自然と空を見上げてしまう。
    正しく美しい人たちばかりではなく、登場人物全員に何か欠点があり、それがとてもリアルだった。「生きている人々」という感じがした。
    ある意味残酷さも感じる、悲しくて切なくて厳しくて、けれど幸せな長編小説だった。
    自分はどんな風に生ききるか、改めて考えさせられた。
    それから(ネタバレになってしまうけれど)最後の最後ジョアンヌが約束を破ってくれたこと、それが、同じ母として本当に救われた気持ちになった。ありがとうジョアンヌ…幸せになってね…。

    CHIENOWA BASE
    鈴木智春